日本時間2025年5月7日の午後8時半より、海外有権者ネットワークのオンライン会議が開催された。日本、ニューヨーク、ロサンゼルス、フランス、ドイツ、イタリアからの参加があった。
若尾氏(日本):今回は初めての在外日本人のオンラインミーティングで、世界中の時間を合わせるは難しく参加できない方もいたが、世界中の在外日本人が意見を交わす場は大変有意義である。また4月に「在外投票を推進する議員連盟」(*以後、議連と表記)に参加をし、議連に名を連ねる議員は90名を超えていると報告された。
竹永氏(NY):今回4月の日本渡航で、議連の逢沢会長と西村事務局長と面会した。今回は、次回の議連のテーマを決めることと、在外ネット投票と、遠隔地のビデオ通話による本人確認の方法の問題点や投票数などの調査報告を総務庁に求めた。また投票率の向上のためには出国時申請が有効とし、外務省がチラシを作って自治体で配っている。また、国会での「在外ネット投票の議案」を出すようにとの陳情も行ったことを報告。(参考資料)
竹田氏:日本からの出国時登録が投票率アップには有効で、出国時の選挙人登録を周知させることが必要だと提案。
朝倉氏(LA):在外での投票ができるようになっているにも関わらず、在外の投票率は2%以下となっており、危機的な状況にあると考えている。LA総領事館での選挙担当領事との面会に際し、投票所の増設とネット模擬投票の承認を求めたが、いずれも外務省からは難しいとの返答を受けたと報告。またLAの日本語メディアに「選挙に行くこと」「選挙人登録をすること」を宣伝してもらうように協力を求めた。米国西海岸とハワイで日本語情報誌を発行する『Lighthouse』誌では、投票率アップのために総領事館にインタビューした特集を予定している。海外在住の有名人に選挙に関心を持ってもらうようなメッセージを掲載する案などが発表された。模擬ネット選挙に関しては、公的な賛同は得られなくとも、選挙への関心を増やすためや、在外選挙のデータ分析を目的に、今夏の参議院選挙時に実施を希望していると提案された。
市ノ澤氏(スパイラル社):これまでの立憲民主党と国民民主党からの法案提出や、つくば市とマイナンバーカードを使った投票投票システムの取り組に関しての説明があり、議連の取り組みも間接に関わっていることで、ネット模擬投票のシステムの提供に賛同している。サーバーの管理や情報の保管の方法、投票後も改ざんされないで投票結果を提供する仕組みを構築する。マイナンバーカードの電子署名で本人確認をするシステムは構築できているが、在外日本人は2015年より以前に出国した人にはマイナンバーカードが取得できないというルールがあるため、マイナンバーカード以外でも本人確認できるように対応する。パスポートでの本人確認は可能だが、在住者カードなどの様々な身分証明書でも広く有効にできるシステムは可能。ただし、身分証が実際に存在する番号であるかどうかは、今回の模擬ネット投票では照合しない。現存の投票システムを作っているので、それを活用する。参院選に合わせて模擬ネット投票が間に合うように対応したい。スパイラル社の協力で、将来のネット投票に向けて様々な問題点の抽出と改善が図れると期待している。(参考資料)
ピレー氏(フランス):長年に渡り、日本での多重国籍を認めるよう国籍法改正を訴えている。日本語メディアはフリーぺーパーがあるが、多くの日本人が読むわけではなく、大半の情報はネットから入手しているため、選挙があることはネットや総領事館からのメルマガなどで認知されている。フランスには外国人登録証があるので、これで本人認証をすることを提案。
トルン氏(ドイツ):ドイツにも無料の日本語情報誌などはあるが、インターネットが発達している現在、選挙が行われるという情報は、在外公館からの広報以外にも、在欧有権者には日本から直接のネットニュースなどで十分に届いていると考えられる。
また、日本の選挙投票に一番関心がある層は、数年の予定で一時的に欧州に滞在しているマイナンバーを持っている人たちよりも、永住権を持って長く住んでる人たちである。この人たちは、日本国籍法の関係で在留国の国籍を取得することが難しいので、現地での選挙には参加できない分、自分たちの政治的関心を日本の選挙への投票で表すしかない。しかしこの永住権で住んでいる人には2015年以前に移住した人が多くマイナンバーを持っていない人が多い。ネット投票の際には、是非マイナンバーを使わない形のシステムをお願いしたい。すでに使われている在外選挙認証を使うことは可能だろうかと提言。
茜ヶ久保氏(イタリア):意見交換の場で、選挙候補者の政策や取り組み姿勢の情報を伝える方法が必要。総務省のHPで、一定のスペースや広報ルールに従った「候補者の情報発信ができないか」を議連を通じて総務省に打診する。
竹永氏(NY):現在選挙に関してはさまざまな取り組みがあるが、最終的には全てをネット化することが解決になると提案。
住山氏(日本):長年に渡り選挙ができるように活動をしてきたので、もっと選挙しやすい環境が整うことを願う。総領事館でしか選挙ができないのは、その場所が治外法権としてその国に登録をしてあるからではないか。LAの日米文化会館の一室も同様に登録がしてある。(現在は不明)また、在外選挙のことを次回の海外日系人大会で発表するのはどうかと提案。(公益財団法人海外日系人協会の評議員である若尾氏に依頼)
若尾氏(日本):初めてのオンライン会議だったが世界中から集まってもらったことに感謝している。この会議に関しては議連にも報告する。今後も年に数回はこのような会議を行なっていきたい。